ベルモット編 黒の組織考察

我々人間のために断念したのだから…-蘇る烏丸?板倉卓のソフトの正体に迫る-

こんにちは、鳥子です。

今回は、板倉卓のソフトについてメモを残しておこうと思います。短めです。

1.板倉卓

まずは、板倉卓という人物について記載します。

板倉卓(45)は37巻で、遺体となって発見されたシステムエンジニアで、3年前に目を悪くするまでは、コンピュータグラフィックス(CG)の分野でも活躍していました。

蘭曰く、映画のクレジットにも「特殊視覚効果 板倉スタジオ」とよく載っていたことと、目暮警部曰く、2、3度TVで目にしていたことから、コナン界での知名度はそれなりに高いようです。

黒の組織は、有能なコンピュータプログラマーを集めているようで、板倉にも声がかけられたのか、今は亡きテキーラが2年前に板倉の事務所に出向いていたことがわかっています。

板倉卓は、自分の領域に人が入ってくることに対して神経質な人間で、職場の机の上に置かれた書類が10cm動いているだけでも、気にするような性格です。5年前からフロッピーに保存している日記にも、板倉卓の事務所に侵入した人物が、鉛筆を動かすということに気付き、神経をすり減らしていた文章があります。

また、時計にうるさい、という設定がありますが、この時の事件の証拠となるのが、時計であったため、この時用の設定なのか、今後も使われる設定なのかは気になるところです。

2.蘇る死者

侵入者

板倉卓の日記には、2年前の3月7日に板倉卓が開発中のソフトを目当てに、大男(テキーラ)が接触してきていたことが書かれていました。ただ、板倉は目を悪くしたため、開発を断念したことを大男に伝えると、大男はあっさりと去っていったとも書かれており、組織は一度は板倉のソフトを手に入れることを断念したようです。板倉卓が死亡した際の回想で、「あんたにはもう用はない」と言って去った大男がいたようですが、この時のことを日記に書いていたと考えられます。

板倉は大男が来た10日後あたりから、自身が書いていた日記に、伏せておきたい文章をボードの色と同じ色で書く「あぶり出し」を使って、板倉卓の事務所や自宅に侵入した人物の情報を書いていました。

  • 誰かが事務所に忍び込んで机の上のペンを5cm移動させていること
  • 侵入した痕跡も何かを盗られた形跡もないが自宅に誰かが侵入していること
  • カメラを設置しても無駄だったこと
  • 「要求を飲む」とメッセージを伝えると電話番号付きで、血で書かれた「OK」という返事がきたこと

などが日記に書かれていました。

電話の相手

怪しげな番号が記載されたメッセージを見て、迷った板倉は、警察に通報はせず、1年前の1月23日にその電話番号に電話をかけました。

電話に出たのは、女王のような喋り方をする高飛車な女でした。女の要求は、板倉が開発していたソフトを1年で完成させたら高額で買い取るというものでした。板倉はこの女を大男の仲間として判断しました。組織は一度は諦めたものの、やはり板倉のソフトが必要であるという考えのようです。

時間は経ち、板倉は12月22日に、

ダメだ…やはり私にはできない、なぜならあのソフトは私が目を患っただけでなく、我々人間のために断念したのだから

と記載しており、その後、ソフトが未完成のまま、海外に姿をくらますことにしました。

板倉は、前に電話した女の言葉が気になっており、

しかし、彼らはあのソフトで一体何をしようとしているんだ?

最初に電話に出たあの女の奇妙な言葉が耳から離れない…

そう…あまりにも高圧的な女の口調に堪えかねて、「何様のつもりだ」となじったら女は笑いながら英語でこう返した…

We can be both of God and the devil.

我々は神であり悪魔でもある

Since we're trying to raise the dead against the stream of time.

なぜなら、時の流れに逆らって死者を蘇らそうとしているのだから

と電話相手の女は言いました。

ソフトの内容

高飛車な女の、死者を蘇らそうとしている、と言う言葉で思いつくのは、雛人形の話で灰原がコナンに放ったセリフで、ソフトの内容と組織の研究が関係しているように思えます。

ソフトの内容について、組織が開発する薬と関係するケース関係しないケースを考える必要がありますが、まずは、この記事では、関係しないケースで記載したいと思います。

板倉卓のソフトを考えるにあたって、4ケースほど分岐が考えられます。

  1. 1つ目の分岐が、上記に記載した薬とソフトが関係しているか?いないか?
  2. 2つ目の分岐が、高飛車な女とベルモットが別人か?同一人物か?

このように、分岐2×2で4ケースは最低でも考えられます。(2つ目の別人か?同一人物か?の分岐は、ベルモットがソフトの内容を知っているか?知っていないか?なども考慮は必要ですが…。)

現在、原作で認識されているのは、

ミステリートレインでの有希子の発言から、1は関係している、二元ミステリーから2は、同一人物ということで進行していると思っています。

私自身は、シャロンとクリスの記事で触れた通り、高飛車な女とベルモットは同一人物ではないと考えています(つまり、2は別人の認識)。

板倉卓の言葉から、ソフトの特徴としては、

  • 目を悪くしたために開発が滞ったもの
  • 人間のために断念せざるを得ないもの

ということがわかります。また、「高飛車な女とその仲間たちが、このソフトを使って何がしたいのかわからない」ということもわかっています。このことから、それでも人間のために断念したということは、組織の目的に関係なく、板倉のソフト単体で悪事を働くことができると考えることができます。

目を悪くした

板倉はCGや特殊視覚効果分野で有名だったということですが、目を悪くしてその分野から退き、システムエンジニアになった経緯を考慮すると、同じく、目を悪くして開発できなくなってしまったソフトにも、特殊視覚効果を使った機能があると考えられます。

つまり、板倉が開発途中だったソフトは、特殊視覚効果を用いたものであり、組織の目的が何であろうと、使い方によっては人間全体に影響を及ぼしかねないものと言い換えることができます。

人間のために断念した

人間全体に影響あるソフトとは一体なんなのでしょうか。私が考えたのは、映像を使ったなりすまし(変装術を使わない変装)です。例を挙げると、黒の組織がキールを奪還する際に利用した病院のTVの電波ジャックでしょうか。

黒の組織は、キールの入院先にて、発信器つきの爆弾をもたせたFBIに、キールが映った偽の映像を見せることで、本当はまだキールは意識がないのに、回復したとFBIに思わせ、キールの病室を探り当てる作戦を実行しました。

この時に使用したキールの映像は、事前に放送されていたものを合成したもので、FBIが勘違いしてしまうほどの精度ということがわかります。

私は、この合成技術を静止画などにも応用し、静止画複数枚から、あたかもその絵が喋っているかのような動画を生み出すソフトを板倉が開発していたのではないか?と思っています。

いわゆるAIの分野で、DeepLearningを応用したフェイク動画であったり、VTuberのように自分が喋ってはいるものの他人には違うキャラクターが喋っているように見えたりする映像技術などを開発していたのではないか、そこに黒の組織が目をつけたのではないか?と考えています。

キールの映像を使ったときは、既にある素材を合成し、電波ジャックして流したという感じでしたが、この技術があれば、例え既に死亡したとされる人物であっても、写真や絵が複数枚あれば、自分の喋りをその故人が喋ったように見せることができます。

他にも、ある政治家が不利になるようなセリフをその政治家の顔を再現して、まるで本人が喋ったようにするといった悪用はできそうです。ある人物の映像は本人なのか、発言が本物なのか、わからなくなるようなソフトであれば、人間のために断念するということも考えられます。

3.電波ジャック

初代「あの方」

私は、烏丸蓮耶自身は本当に亡くなっていると考えており、烏丸グループを乗っ取った人間がいると考えています。それが現在「あの方」と呼ばれている人物で、元々は烏丸グループを立ち上げた烏丸蓮耶が「あの方」と呼ばれていたのではないかと思っています。

烏丸自身が生存しているのであれば、烏丸は、自分を象徴するカラスの紋章をつくるような人間であるため、自分宛のメールアドレスをカラスをイメージする七つの子に設定するということは充分に考えられるのですが、ベルモットの言う、「あの方」は慎重居士、という性格からズレているように思います。つまり、このメールアドレスを七つの子に設定することも、今は亡き烏丸蓮耶に責任を押し付ける1つの手段とも考えることができます。

配信

現在の「あの方」は、警察や諜報機関に追い込まれた際に、全てを烏丸蓮耶の責任にするために、キール奪還の際に仕掛けた電波ジャックと同じことを、将来、キールの映像を烏丸に置き換えて実行するのではないかと考えています。

  • 変装術を使って烏丸(や別の人間)に変装し、その姿で撮影した映像をSNSやネット、都心のモニターに流すことで、世界を混乱に導く

といった可能性もありますが、

  • 変装術を使わなくとも、ソフトの機能で、自分が喋っている内容を烏丸や他人が喋っているように配信すること

も可能です。

変装して配信するのと、ソフトの機能を使って別人の姿で配信するのでは、実体の有無に影響すると考えられます。

警察や諜報機関が組織を追い詰めても、ソフトを使えば、追い込んだ先に実体がなく、雲隠れすることが可能となります。烏丸登場時の、スピーカーを搭載した人形を映像版に変えたイメージですね。

とまぁ、色々妄想が多い内容を記載してきましたが、黒の組織視点に立ってみれば、黒の組織は、「組織の存在が絶対に見つからない、波風立てないように暗躍する」はずのため、上記はかなり追い込まれた時にしか使わないのではないかな?と思います。

波風立てないためには、自ら仕掛けに行くことはリスクがあるため、電波ジャックして、盛大にSNSやモニターに烏丸の姿をドーン!と映し出すようなことは流石にないのかもしれません。

また、板倉卓はソフトを未完成のままにしていたため、組織が集めたプログラマーが板倉のソフトを解析できないと今後使用されることはないと思います。

今回は、板倉卓のソフトが組織の薬と関係していないケースで考えましたが、いずれ薬と関係したケースも考えてみたいと思います。

関係するのであれば、シュミレーションのようなものを想像していましたが、板倉卓はソフト単体で悪事が働けると考えているため、シュミレーションっていうのは、うーん、という感じですね。囲碁や将棋、チェスなどのソフトも手掛けていることから予測するような機能はありそうですが…。それ単体で悪事が働けるのかは疑わしいところです。

シャロンと板倉が喧嘩した理由は、互いの持つ技術が対照的(メイクによる変装vs映像加工)であるために衝突したと考えられるため、薬とソフトが関係してくるというより、変装とソフトが関係してくるというのが可能性としては高そうですね。

また、メモを読んでいただければと思います♪

 

その他、組織の謎の一つであるAPTX4869についても考察しています。

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