キール編 黒の組織考察

黒緋(くろあけ)の射手(しゃしゅ)-赤井秀一/沖矢昴/ライという男-

こんにちは、鳥子です。

こちらは100巻までに収録される予定の内容が含まれる記事ですので単行本派、アニメ派の方はネタバレにご注意ください。

今回は、赤井秀一についてメモを残しておこうと思います。軽いまとめと今後注目しておきたいポイントを記載しています。

黒緋(くろあけ)…深緋(こきあけ)ともよばれる緋の色味のない黒みが強い色で、茜に紫紺を加えて黒紫みをもたせた濃い緋色のこと。

初めて聞いた色の名前ですが、なんとなく黒と緋を思わせる赤井秀一の記事としては合いそうな感じから選びました。

魔弾の射手(まだんのしゃしゅ)から「〜の射手」を使いました。オペラですね。7発の内6発は射手の思うところに必ず命中するが残る1発は弾を作った悪魔が望むところへ当たるというものです。調べたところ、関連として銀の弾丸も出てきます。

(黒緋の射手だと魔弾の射手とは全然意味が違ってしまいますが…笑)

赤井秀一

赤井秀一は、FBI所属の狙撃を得意とする捜査官で、黒の組織を追っています。98巻の堆黒盆での赤井秀一の回想より、17年前に15歳であることがわかっているため、年齢は32歳前後と推測できます。赤井家の長男であり、父に赤井務武、母にメアリー、弟に秀𠮷、妹に真純がいます。父親である赤井務武が17年前の羽田浩司殺害事件後、行方不明になってしまったことをきっかけにその真相を探るべく、FBIに入りました。元々イギリス国籍でしたが、FBIに入るためにアメリカ国籍を取得しました(92巻さざ波より)。また、利き手は左で、目潰しなどの技を特徴とする格闘技の截拳道(ジークンドー)を得意としています。

狙撃の腕前

  • 二元ミステリー(42巻)

防弾チョッキをつけたベルモットにカルバドスから奪った銃で一撃食らわせ、衝撃で後方へ倒れさせました。カルバドスから奪った銃とは別にライフルを肩に背負っていました。

  • ブラックインパクト(49巻)

700ヤード離れたビルから、屋上にいるジンがつまんでいた盗聴器・発信器を狙撃しました。1ヤード=0.9144mらしいので、大体640m離れた先から1円玉サイズくらいのものを狙撃するイメージでしょうか。また、その後、ライフルのスコープを除くジンの左頬も抉り、ジンの体に2発撃ち込みました。

  • 緋色シリーズ(85巻)

キャメルが運転する車と公安警察が運転する車とのカーチェイスを行いながら、不規則な振動を計算し、公安警察の人間が運転する車のタイヤを撃ち抜きました。

  • 将棋棋士連続殺人事件(98巻)

秀𠮷を拘束した犯人に威嚇射撃を行うために、コナンがボールを蹴って曲げたマンションに設置されているパイプの穴に向けて射撃しました。見事、パイプの穴を通過した弾丸は、パイプのカーブに合わせてうまく曲がり、窓ガラスを割ることに成功しました。

  • FBI連続殺害事件(100巻収録予定)

1300ヤードほど離れた地点から海猿島の桟橋を走るキャメルの胸と、海に落ちたキャメルを爆破の勢いでトドメを刺そうとジンが投げた手榴弾を撃ちました。さらに、ジンの足元に1発とキールが被っていた帽子も撃ち抜きました。ブラックインパクトよりさらに距離を伸ばし、約1200m離れている場所からの狙撃となりました。

2021年現在の現実世界の最長狙撃は2017年のカナダ軍の3540mだそうで、戦闘中の最長狙撃記録は2009年イギリス陸軍の2475mとなっています。2倍、3倍と違いはありますが、捜査官でありながら軍並みの狙撃能力があることがわかります。

★海猿島にいる黒の組織のメンバーが、対岸の赤井から襲撃されている際、ベルモットが「フン赤井じゃあるまいし…やみくもに撃った弾が偶然当たっただけ…」と言っているため、並々ならぬ狙撃から、そろそろ組織に赤井生存がバレるかもしれません。

潜入捜査

ライ

現在、黒の組織を追う赤井秀一ですが、過去には捜査のために、組織に潜入していました。諸星大という偽名を用いて、5年前から2年前までの3年間、NOCとして活動を行なっていました。ジェイムズ曰く、組織内でうまく立ち回り、最初は目立ち過ぎず徐々に頭角を現し、「ライ」というコードネームを与えられるまでになりました。潜入当時は長髪でした。

赤井秀一は組織に入るために、科学者である宮野志保(灰原哀)の姉である宮野明美に近付き、恋人になりました。宮野明美と恋人になる前までは、ジョディと付き合っていましたが、赤井秀一の性格上、ジョディとお別れすることになりました。

裏切りのステージ

赤井秀一は4年前、妹の真純に駅のホーム(日本)で、スコッチとバーボンと一緒にいるところを見られ、声をかけられていました。

2〜4年前、スコッチが日本の公安からのNOCであることを知り、屋上で会話をしますが、最終的にスコッチの自決を見届けることになりました。ここでスコッチと仲が良かった同じ公安所属のバーボンと赤井秀一との間で確執が生まれます。

★スコッチの遺体にかけよるバーボンに対し、赤井は「聞いていないのか?そいつは日本の公安の犬だぞ」と言っています。赤井は誰かから聞いたということなのでしょうか

★少なくとも当時バーボンに対しては、ライがスコッチを撃ったということになっているため、ライが組織内で有利な立場になったと考えられます。バーボンがどの時点でスコッチが自決したと気付いたかも気になるところですね(少なくとも裏切りのステージ回では自決に気付いています)。

倉庫での捕獲作戦

そして2年前、ようやくジンとの仕事をこぎつけ、ジンを捕獲するために倉庫で待ち合わせしていましたが、同じく待ち合わせていた杖をついたおじいさんにキャメルが声をかけてしまいました。実は、おじいさんは組織の人間だったため、ライは完全にNOCバレし、組織にふられてしまいます。

100巻収録予定のFBI連続殺人事件では、脇田兼則の正体がこの老人であることが判明します。

キャメルが老人に声をかけたあとの話で、RUMからコルンにライ(赤井秀一)と男(キャメル)が顔写真付きで送られてきます。RUMからコルンへの指示はライと男はFBI、見たら撃ち殺せというものでした。

ライの写真の顔の角度的に、顔の左側が見えているため、倉庫内でライの顔の左側が見えている老人がおそらく隠し撮りしていたと考えられます。

★老人からコルンまでの写真・指示の経路は?

  1. 老人→コルンの場合、老人はFBIを撃ち殺したいと思っています。その場合、FBI連続殺人事件に出てきた黒塗りの人物と思考(生捕りにして聞きたいことがあった)が異なります。つまり、黒塗りの人物と老人は別の人物
  2. 老人→RUM→コルンの場合、老人ラム以外にRUMと名乗る人物がいる前提になりますが、この場合、RUMが撃ち殺したいと思っています。となると、黒塗りの人物は老人になり、生捕りにしたいと思っている人物となる?
  3. 老人→あの方→老人→コルンの場合、あの方は赤井秀一をシルバーブレットと恐れている通り、FBIの2人を撃ち殺したいと思っていて、老人=黒塗りの人物であれば老人は生捕りにしたいと考えていたことになります。
  4. 老人→RUM→あの方→RUM→コルンの場合、かなり複雑です。撃ち殺したいと思っている人物と生捕りにしたい人物がいることはわかりますが、少なくとも、あの方は撃ち殺したい派でしょうか。

ここの描写はもう少し考えたいところです。

NOCバレ

2年前のジン捕獲作戦の前に、宮野明美には諸星大(赤井秀一)がFBIであることがバレていました。また、組織には、赤井秀一という名前も知られていますが、一体いつ、どのような経路でFBIであることと名前がバレたのでしょうか。

NOCバレの理由については、まだ不明点もあるため、いくつか考えられる分岐を、地道に潰していくしかないと思っています。

これ以外にも真純が秀兄とあの場で呼んでいたのであれば、諸星大なのになぜ?と疑問を感じたスコッチもしくはバーボンが上に報告していた可能性はあります。

偽装死

神懸かり的な頭脳

赤井秀一は、黒の組織のキール奪還作戦の末、あの方やジンに疑いをかけられたキールによって銃殺されました。実際には、コナン、赤井秀一、キールが裏で作戦を立てており、楠田陸道の遺体を利用して赤井秀一の偽装死を実現しました。

67巻では、ジンが赤井秀一生存とキールが協力したのではないか?という疑っていますが、キールは、「亡霊よ生きてるわけないわ…(略)…もっとも…先の先まで見通せる神懸かり的な頭脳が彼や私に備わっていたのなら、できたのかもしれないわね…そう…シャーロック・ホームズのような…」と言っています。ジンが来葉峠にて、肺だけではなく頭も撃つように命じることすら読んでいたコナン達はまさに神懸かっていたと言えます。

沖矢昴

来葉峠にて、キールの協力により偽装死を果たした赤井秀一ですが、その後、工藤有希子仕込みの変装術と阿笠博士のチョーカー型変声機により変装した姿が沖矢昴です。東都大学工学部の大学院生で、年齢は27歳と実年齢から5歳ほどサバを読んだ設定となっています。ちょうど組織に潜入した頃の年齢であるため、本人に思うところがあるのかもしれません。

誰が赤井家に連絡したのかわかりませんが、赤井秀一の死は家族に伝わっています。ただ、家族の中でも、実は赤井秀一が生きていることは弟の秀𠮷しか知りません。また、秀𠮷の前では、沖矢昴の格好ではなく赤井秀一の姿で登場しています(98巻)。

ボディガードと彼女との約束

赤井秀一が沖矢昴として活動を始めた頃、沖矢の住処は火災によって木馬荘から工藤邸へと変わります。初登場時にコナンが、留守の時はしっかり守ってよ、と言っている通り、沖矢昴には守るべき人間がいます。それが、かつて恋人だった宮野明美の妹で、元黒の組織の科学者である宮野志保(灰原哀)です。盗聴器によって灰原が出かけるタイミングを見計らってか、料理を作って阿笠邸に持っていくということもありました。一角岩の話でも素早い動きで犯人からナイフを弾き、探偵団達を守りました。

警視庁前で路駐してコナンを待つために、灰原と沖矢の2人になった際に、駐車場に移動して待とうという沖矢に対し、そうしたいなら無理矢理連れ込めば?と灰原は返しますが、沖矢はそんな無粋な真似できませんよと言いいつつ、心の中で「彼女との約束なんでね」と続けます。

彼女というのは、宮野明美のことでおそらく「赤井の過去」という話で出てきた宮野明美からのメール

大君…

もしもこれで組織から

抜けることができたら

今度は本当に彼氏として

付き合ってくれますか?

明美

P.S.

のP.S.以下に約束に関することが続くのかもしれません。

截拳道(ジークンドー)

截拳道は、コナンの説明曰くブルース・リーが小さい頃からやっていたカンフーに空手・ボクシング・柔道・サバット・合気道など色々な技を取り入れた武術で、目や喉などの急所への攻撃もありとされています。

親子喧嘩

92巻のさざ波シリーズでは、赤井秀一は母親のメアリーの手刀を食らったことで左目に傷を負い、メアリーは、赤井秀一のおそらく截拳道により右目に傷を負っていました。赤井秀一は左利きということから対面した相手の左側(相手からすると右側)に傷を負わせるというのは納得です。一方、メアリーは、堀田凱人の事件では左手で電話を持ち、右手で蝶ネクタイを扱うなど、どちらの手が利き手かわかりにくいところがありましたが、99巻に収録されるヴォクスホールブリッジでのベルモットの対峙の際、銃を右手で突きつけています。どちらの手も銃を打つのに慣れているかもしれませんが、咄嗟に出せる方向に銃を用意していたのであれば、右利きとして見て問題ないでしょう(コナンの話の中でも通話する際の電話の位置によって利き手を判断している描写があることから多分問題ないはず…)。

そうなると、利き手と目潰しされる目の位置関係が今後の展開において重要になるかもしれません。

ラムの義眼

ラムは何かの事故で義眼となったとされていますが、截拳道での目潰しが関連しているなら事故というか事件っぽいですね。個人的にはそこまでの(目を潰せる)状態なら、かなりラムの目を潰した人間が有利な状況だと思いますが、トドメは刺さなかったのか?というのが気になっていて、截拳道の目潰しとラムの義眼の関連はなさそうと思っています。

ただ、もしパターンとして考えておくなら、

  • 赤井務武が本物のラムであり、浅香を逃してしまった老人ラム=脇田兼則に対して罰を与えるために目潰しを行った
  • 赤井務武は組織の人間ではなく、羽田浩司殺害後、アメリカに渡った際に、本物ラムと対峙し、目潰しを行うももう1人の老人ラムに後ろからやられた(ウォッカを見る新一をジンが後ろから殴るのと同様)

といったパターンとか?でしょうか。FBI連続殺人事件を読んだ際、脇田兼則の左目は見えているように私は感じたので、脇田兼則は義眼ではないと考えています。となると、あるとするなら後者の方がありそうです。ここについては、より詳しくは今回の記事ではなく面白そうな情報を読み取れたら、別記事にしたいと思います。

浅香とラムとCARASUMAと

沖矢昴の質問

沖矢は、新一の家を掃除しにきた蘭と園子に対し、

世良さんの周りに変わった人とか見かけませんでしたか?

そう例えば絶えず周囲を警戒し危険な相手なら瞬時に制圧する能力に長けた「浅香」という名の…まぁそうは名乗ってはいないでしょうけど…

と聞きます。

私はこの質問の解釈として、過去の記事に

沖矢さんが蘭や園子達に周りに浅香という人物がいないか聞いていましたが、これは浅香(エレーナ)とメアリーの関係を知っていて、メアリーが生きているならエレーナと連絡を取るだろうと踏み、浅香という人が近くにいるか?という質問だけで、浅香が近くにいるだけでなく、メアリーの生存も確認したと考えられます。

と記載していました。私は、浅香は若狭留美でありエレーナであり、さらにMI6に所属していたと考えているため、赤井秀一は過去に親戚であるエレーナに会っているのではないかと思っています。少なくとも赤井秀一は浅香の正体を知っていて、かつメアリーと顔見知りだと考えているために、1つの質問(浅香という人物が世良真純の周りにいないか?)で、浅香が近くにいるなら、おそらくメアリーも近くにいるだろうということと、メアリーが生存していることの両方を把握しようとしたのだと考えています。

判明する組織のボス

当初、羽田浩司殺害事件の現場に残された

PUT ON MASCARA

のダイイングメッセージをコナンと赤井秀一は

ASACA  RUM

のように羽田浩司殺害事件の関係者である浅香を意味するASACAと黒の組織のNo.2のコードネームを意味するRUMの2つに分けて考えていました。ところが、95巻にて優作の口から、このメッセージはASACAとRUMの2つにわかるのではなく、8文字で1つの名称となることが告げられます。それがCARASUMAとなり、組織のボスが烏丸蓮耶であると浮かび上がるというものでした。なぜ、2つにわけるのではない、という結論に至ったのか考えた際に、

赤井秀一が

  • 浅香に対する情報
  • 組織で2,3度耳にしたRUMに関する情報
  • 羽田家にいる秀𠮷からの羽田浩司に関する情報(浅香とRUMとの関係)

を知っていたのではないか?

また、他にも優作もしくは赤井秀一が

  • 烏丸に関する情報

を知っていたのではないか?など複数候補は考えられます。先の話「沖矢昴の質問」にある浅香について蘭と園子に聞いていたことから、浅香の情報を持っていそうですね。

「私の知り合いに浅香がいて烏丸グループに入ったらしい」みたいなセリフでもあればエレーナと浅香が結びつきそうですが…。

銀の弾丸(シルバーブレット)

赤井秀一は、黒の組織のボスであり、組織のメンバーから「あの方」と呼ばれる人物から、組織に対して銀の弾丸(シルバーブレット)になるかもしれない人物として恐れられています。

銀には強い殺菌作用があるため、シルバーブレットは、ホラーファンや西洋の信仰において、普通の武器では倒せない狼男の息の根を止める唯一の武器とされています。また、狼男だけでなく、魔女などにも効くとされており、魔除けの酒でもあります。

★「あの方」にはシルバーブレット・銀の弾丸の概念がある

千の顔を持つ魔女、ベルモットも赤井秀一を組織に対する銀の弾丸と認めており、二元ミステリーにて、1年前にNYで通り魔に扮していた際に相討ち覚悟で殺しておけばよかったと言っています。ただし、ベルモットの本心では組織を壊滅させる銀の弾丸の1発として生きていてほしいはずで、この発言は赤井秀一を天敵とするジンに合わせて放った言葉と考えられます。ベルモットが組織の心臓を射抜けるシルバーブレットはもう1発、とコナンのことを回想していたことからも、1発は赤井と認めていることがわかります。

★仮に、羽田浩司殺害事件をきっかけに、赤井務武が組織の中心部まで食い込んだ経緯があったとしたら、それが「あの方」が赤井秀一を恐れる理由になっている可能性もあるかもしれないですね。この点においては、目潰しとラムの義眼の関連が少し見えそうですね。

黒(組織)の手口を知る赤井秀一が今後組織にどんな方法で噛み付くのか、どのように心臓部を撃ち抜くのか楽しみですね。今回はこんなところで終わろうと思います。

また、メモを読んでいただければと思います♪

 

こちらは母親のメアリー登場回を記載したものです。

メアリー登場回と領域外の妹の意味に辿り着くまで

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