ラム編 黒の組織考察

時は金なり…と言いますしね-雪山の計略-(36マスの完全犯罪の裏側)

こんにちは、鳥子です。

サンデーの内容(単行本100巻掲載予定)も含みますのでアニメ派、単行本派の方はご注意ください

今回は、単行本97巻の雪山回についてメモを残しておきたいと思います。事件や暗号自体の考察などはしていません。

まずは前提として

サンデー2020年12月にRUM候補の中の

1人が組織の人間だと判明した

という情報を頭に入れた上で読んでください。

 

組織のメンバーだとわかった人物は…

+ネタばれ大丈夫な方はクリックしてください

いろは寿司で働く脇田兼則

です

 

車中の攻防

物語はコナン、小五郎、ポアロの安室透、いろは寿司の脇田兼則が長野に向かう特急の車内でトランプをしているところから始まります。

下記の図だと、2つ目の黄色い枠「電車:コナン、小五郎、安室、脇田はトランプでババ抜き中」ですね。

安室vs脇田

ババ抜き中、一抜けした小五郎と安室の会話。

小五郎「何かこーいうのって得意なんだよ! 引いちゃならねぇハズレだけは割とピンと来っていうか…」

安室「当たりがわかれば良かったんでしょうけど…」 と発言。

それに対し、脇田は、

脇田「外れがわかる目なんて物があるならアッシにも分けてもらいてぇぐらいですぜ… 自分を謀る裏切り者がわかるじゃないですか… 鮮度の落ちた魚を高値で売りつける仲卸とかねぇ…」

と返します。

脇田は何か狙いがあるような発言をしていますが、脇田の発言の意味として

  • 自分を謀る裏切り者を探そうとしている
  • 鮮度の落ちた魚=古い、価値のない情報その裏切り者かもしれない人に渡されたことがある

と考えられます。

私は、「裏切り者」の可能性のある人物として脇田が認識している人物がバーボンこと安室透(降谷零)ではないかと考えています。

理由として考えられそうな描写は、RUMから送られた「工藤新一の情報を要求する」メールです。

バーボンがRUMにどんな情報を伝えたのかは、別途考察する必要がありますが、RUMからの指示があった後、工藤邸で工藤夫妻、赤井秀一と話し合いを行い、調査結果を報告したと考えられます。しかし、おそらくその結果はRUMの納得いく情報ではなかったのではないでしょうか。

脇田の目的

そもそも安室と脇田と一緒に長野についてきた経緯は、蘭と園子が行けなくなったため、2人の代わりについてきたということでした(上記の図だと1つ目の黄色い枠「乗車3時間前:〜」)。

この時、脇田は長野に行く話を聞いていたのか

脇田「そんな面白そうな旅の連れを探してんならぜひアッシを…」

小五郎「けど仕事はいいのか?」

脇田「んなの『腹の具合がどうにも御機嫌斜めで今日と明日、おヒマを頂きやす』って大将に言やぁ合点承知の助でさぁ!」

脇田「ってなワケでヨロシク頼みやすぜ!

小五郎師匠の一番弟子の…お兄さん?」

安室「えぇ…こちらこそ」

とやり取りしています。

かなりタイミングよく現れたことと、安室への意味深な表情を浮かべながら「ヨロシク頼みやすぜ」と発言したことから、小五郎に張り付いて何かを確認したいという思惑があるように見えます。

では、車中での

  • 自分を謀る裏切り者を探そうとしている
  • 鮮度の落ちた魚=古い、価値のない情報その裏切り者かもしれない人に渡されたことがある

という脇田の発言の意味に

  • 小五郎に張り付いて何かを確認したい

を付け加えると、

脇田は、

  • 小五郎がどこまで組織の情報を知っているのか知りたくて近付いた
  • しかし、現状、何も情報が得られない
  • 工藤新一の情報が飛び込んで来たため、バーボンに調査を依頼したが怪しい答えが…。
  • そこで、小五郎がシロかクロか判断するためにも小五郎に張り付いているバーボンが裏切り者なのかを同時に見極めたい

と考えているように思えます。

小五郎への興味

この組織が小五郎に興味を持っている経緯は、

  • キールに盗聴器/発信器がついていたこと(48,49巻)
  • さらにその直近でキールと接触したのが小五郎であること(48,49巻)
  • キールにつけた盗聴器/発信器とシェリーが付けたと(ジンが)考えている盗聴器/発信器と同じタイプだったこと(24巻)
  • 17年前にラムがぬかったとされる羽田浩司事件の情報を堀田凱人が得ていたが、堀田凱人が殺害された事件に小五郎が関わったこと(90巻)

から黒の組織(特にジン)が、小五郎が怪しいと睨んでいるためです。

小五郎vs脇田

黒の組織が再び小五郎に目をつけ、さらにバーボンも疑っているとなると、バーボンとしては、小五郎が何も知らないとは思っていても、小五郎が脇田に対し、余計なことは言われたくないはずです。

そのため、車中でのやり取りでは

小五郎「ーてかアンタまだ目の出来物治んねぇのかよ?」

脇田「治りかけてたんですけどかゆくてかいたら…前より酷くなっちまって…

見てみやす?」

小五郎「いやいやいや…」

安室「それで?そろそろ教えてくださいよ…依頼の内容を…」

と、目について触れていた会話の流れを切り、依頼の話へと変えました。

脇田からすれば、目が義眼であろうとなかろうと、小五郎が「見たい」と食い付けば小五郎をクロだと判断するでしょうし、仮に義眼だった場合、小五郎がその目を見た時の反応でシロかクロか判断するでしょう。

今回ばかりは、一番弟子に助けられたと思います。

雪山の攻防

廃教会にたどり着いたコナン一行ですが、教会側の駐車場が崩壊し、車が谷底へ落ちてしまいます。長野県警の大和勘助に小五郎が連絡を取るも、雪崩でトンネルが塞がってしまい、1日待たないと教会へ助けにいけないということでした。

そうこうしている内に事件が発生。1人目の被害者が出てしまいます。

安室の思惑

長野県警に連絡すると、現場の様子を動画に撮って送って欲しい、ということで小五郎、安室、被害者が映った動画を送ります。

すると、動画を確認した諸伏高明は

高明「この後ろの金髪の男…以前どこかで…」

と安室と会ったことがあるようでした。

安室は、犯人が何を考えているかわからないため、信頼のおける2人でペアを組もうと提案し、コナンは安室と、小五郎は脇田とペアで行動することになりました。

トイレでコナン、安室ペアが行動している際、コナンが安室にRUMについて情報のやりとりをし、せっかちというヒントを得ます(上記の図、一番最後)。

安室vs脇田

そしてコナンと安室がトイレから戻ってきた後、第二の事件が発生(下の図の黄色い枠)。吹雪の影響で長野県警と連絡が取れなくなり、手がかりを探る中、コナンと安室がスマホに残った手がかりを見つけたところで脇田が声をかけます。

脇田「随分仲がよーござんすね」

コナン「うんまーね!」

安室「でもまぁ…たまに毛利先生の探偵事務所で顔を合わせる程度ですけど…」

脇田「…にしてはべらぼーに親密なコンビに見えやしたぜ?

眼鏡の童子は結構頭が切れそうだし…」

安室「毛利先生を見て探偵の真似事をしてるだけ…所詮子供の浅知恵ですよ!」

と安室は、脇田の前でコナンの評価を下げていました。

以前、灰原の庇護ストラップを探した回では安室はコナンのことを

安室「フ…まるでベイカー街遊撃隊(ストリートイレギュラーズ)を手足のように使って情報収集する…シャーロック・ホームズのようだ…」

さらに、女性警察官連続殺人事件では

梓「コナン君ってホントに探偵みたいですね」

安室「そうですよー…しかもかなり抜け目のない…探偵(プライベートアイ)」

と評価していますから、雪山回では、コナンの評価を下げることで脇田の注目がコナンにいかないようにしていると考えられます。この時、コナンは脇田とやりとりする安室を見ているため、この評価の違和感に気付いていると考えられます。

雪山の計略

脇田と安室のやりとりが行われている頃、長野県警本部では高明が安室について考えていました。

高明「(あの金髪の男…彼と会ったのは確か…東都大学に通っていた頃…東京の親戚に引き取られた弟、景光に会う為に…カフェで待ち合わせしていた時…そう景光が連れてきた友人が…ゼロ!?まさかあの穴が空いた弟のスマホの送り主は…彼だったのか…)」

と、安室が弟、諸伏景光の友人の降谷零であることに気付きます(下図の1つ目の点線枠)。

そして同じタイミングで、黒田管理官から大和勘助へ「高明に代わってほしい」旨の電話が来ます。この時、高明と黒田のやりとりは描かれていません。

事件が解決し、長野県警が到着します。車から先に降りてきた大和は、小五郎の後ろにいる安室と脇田の二人に対し、「後ろの二人は誰だ?」 と質問。安室は、「一番弟子の安室透です!」、脇田は「二番弟子の脇田兼則でさぁ」と回答。

そして、後から降りてきた高明が

高明「おや…またお会いしましたね…毛利さん!」

小五郎「キッドの事件の時以来だな!」

高明「そちらのお2人は?」

小五郎「ああ…彼らは俺の弟子で…」

と会話。

高明は県警本部では「金髪の男が降谷零であり、以前会ったことがある」ところまで思い出していました。しかし、その後、教会で実際に安室に対面した際には、初対面のようにふるまっています。おそらくこれは、間に行われた黒田と高明の電話のやりとりが起因していると考えられます。

つまり、安室は、殺人が起き、長野県警がくることになった段階で、友人であり同期である景光の兄が来るかもしれないと考え、安室が長野県警に送る動画にわざと映り込んだと考えられます。

そして、ペアで動くことを提案し、小五郎を探りたいという脇田のリクエストに応えつつ、黒田へ手助けしてもらうようペア活動中にこっそりと連絡したのではないでしょうか(連絡した描写自体はないですが)。

黒田から高明に聞くことが何か考えたとき、まず思い浮かぶのは、

  • 弟のスマホを受け取ったかどうか
  • 降谷零という人物を知っているか

などではないでしょうか。

コナンが「RUMはせっかち」というヒントを受けたため、

  • なるべく早く向かいますと発言した由衣刑事
  • 諸伏に早く代われと発言した黒田兵衛
  • 何を油売ってやがる、早くしろと発言した大和

に加え、時間を無駄にしてはならないということで

  • 一寸の光陰軽んずべからず…(時は金なりーと言いますしね)

と発言した高明も「せっかち」であり、RUM候補ではないか?と疑わせる描写になっています…

…が、実際のところは黒田との会話で「脇田兼則」と「時は金なり」のアナグラムを知ったために、心の中でこのように発言したのだと考えられます。

黒田が公安の人間かどうか確定した描写はまだありませんが、

もしも黒田が

  • とある組織に潜入した諸伏景光が組織によって死に追いやられたこと
  • 脇田は公安が追っているその組織の人間であること
  • 降谷零という人間も同じくその組織を追う人間であること
  • 脇田に降谷零が警察に知人がいることを知らせたくないこと

を高明に伝えたのであれば、

弟の仇をとるためにも

  • 降谷零という人間を知らなかったようにふるまってほしい

という協力をお願いできるのではないでしょうか。

電話でどこまで詳細に伝えたのか(実際に上記のように多くのことを伝えたのか、など)は、さらなる考察が必要ですが、黒田が伝えた内容に高明が応じた上で「時は金なり」と発言したのであれば、公安は大きな協力者を獲得したと考えられます。

今後組織と戦う上でブレインとして

FBIには羽田秀𠮷が、公安には諸伏高明がいる

というところでしょうか。

今後もまだ楠田陸道の拳銃入手ルートと啄木鳥会の拳銃横流しとが関連している可能性もあるので、長野が絡んでくることもあり得そうです。

余談

脇田が現場に向かう高明を、腕を組みながら見ている描写が最後にありますが、もしかしたら

  • あいつどこかで見たことあるなぁ

とか

  • スコッチに似ている

とかなっているかもしれません。

赤い壁で長野県警は変装したことがあるため、高明が景光に変装して組織の人間を誘い出すなんてことも見てみたい気分ではあります。

安室透は車内で持参したトランプを使いババ抜きをしました。その後、教会でトランプを使おうと提案しますが却下されます。つまり、安室透が持っているトランプにはコナン、小五郎、安室、脇田の指紋が残っているため、もしかしたら今後、何かに使えるかもしれません。(個人的には蘭がシャロンからもらったハンカチも今後使われないかなとか思っています。)

大和勘助が赤い壁の時に言っていましたが、事前に情報を与えると余計な先入観が入ってしまいます。ラム編ではコナンは結構蚊帳の外になることがありますが、安室からしたら知らないでいておいてくれた方が都合が良いためかもしれません。

例えば、安室が楠田陸道について知っているかをコナンに質問したときも「知っているのに知らないフリをした」ことでボロを出したため、RUMについても余計な詮索を入れられないようにしたというところでしょうか。

また、メモを読んでいただければと思います♪

 

こちらは雪山回について触れた過去の記事です

工藤…新一?-黒田兵衛・脇田兼則はRUMなのか-【後編】

-ラム編, 黒の組織考察
-

© 2024 鳥子の備忘録 Powered by AFFINGER5