こんにちは、鳥子です。
今回は、羽田浩司の遺体の回想について、99巻・牧場回の情報をもとに再考察してみました。
前回の記事はこちらになります。
羽田事件の関係者?が回想する羽田浩司の遺体の回想はそれぞれどこから得た情報か
目次
前回記事の振り返り
前回の記事では羽田浩司の遺体の回想をした人物を下記の4人と記載しており、
- 93巻 黒田兵衛
- 97巻 若狭留美
- 98巻 メアリー世良
- 98巻 宮本由美
また、それぞれの回想する羽田浩司の違いについては下記の通り、黒田兵衛のみ羽田浩司の口元の血溜まりがなく、その他、若狭留美、メアリー、宮本由美が回想する羽田浩司の遺体は血溜まりがないと記載しました。
- 黒田兵衛 警視庁刑事部捜査一課 血なしの遺体
- 若狭留美 帝丹小学校教員 血ありの遺体
- メアリー世良 SIS 血ありの遺体
- 宮本由美 警視庁交通部 血ありの遺体
さらに、現場にいなかった人たちに対して情報がどう渡っていったのかも下記のように考えていました。
3.情報の流れについての考え
現時点で私が考える情報を得た人物の順序を記載してみます。リアルタイム性が高い順に、
- 若狭留美(現場で見た)
- 黒田兵衛(現場で見た、あるいは捜査機関からの画像)
- 羽田家の人(捜査機関からの画像)
- 赤井夫妻(羽田家からの画像で見た)
- 羽田秀𠮷(メアリー、あるいは羽田家からの画像で見た)
- 宮本由美(秀𠮷からの画像で見た)
の順番と私は考えています。
書き忘れていた人物
そして今回、新たに99巻で新たに羽田浩司の遺体を回想する人物が現れたため、読み直しを行ったところ、98巻で他にも羽田浩司の遺体を回想?している人物がいることを忘れていました。その人物は主人公・江戸川コナンです。
コナンは98巻の推理レースの最後に、伊織経由で情報を聞いた服部から兄弟の母親が家政婦をやっていたのが羽田家であったことを知りました。
コナン「(確か羽田名人は赤井さんの弟で…)」「(世良の兄だったよな?)」「(その羽田名人の義理の兄が…)」
ここで羽田浩司の遺体描写あり
「(17年前アメリカで何者かにAPTX4869を飲まされて殺された羽田浩司…)」
まず、ここで、コナンは羽田浩司についてはネット記事で知ったり、伊織&服部経由で資産家の御曹司であることを聞いたりしただけで、かつ17年前の事件発生時は0歳であり、羽田浩司の遺体を見ることができないはずなので「そもそもコナンのは回想じゃないよね?」と思い浮かぶと思います。
回想の場合、誰かから情報を得ていることになります。17年前の事件はアメリカで起きた事件である事から、CIAやFBIが動いていることが考えられ、本堂瑛海や赤井秀一は時を経て捜査情報を手にしている可能性があります。では、コナンは両者のどちらかから話を聞いたのか考えてみますが、本堂瑛海とはそのような描写はありません。赤井さんに関しては、実際に、「17年前と同じ現場」で父の失踪をきっかけにFBIを目指したことを話しており、事件について何かしら知っているようにも思えます。とはいえ、いくら相棒として信頼できるコナンに対してでも、赤井さんが羽田浩司事件の捜査情報(特に遺体の画像など)を簡単に漏らすとは考えにくいですね。
そう考えると、コナンの頭に浮かんだ羽田浩司の遺体は、回想ではなくイメージの方が可能性が高いように思います。
以前、メアリーの仲間の記事で、「コナンの背中と目暮&高木がコナンと話している回想」のようなものから、「ジョディがMI6と協力関係にあるのではないか?」とも考えましたが、そのときにもこの回想は「回想ではなくイメージの可能性もある」と触れていました。
疑惑のジョディ捜査官-MI6所属メアリーの少女化の舞台裏について-
ここでの教訓というか結論は、「ある登場人物の頭に浮かんだ描写は、すべてその人の体験からくるものではなく、読者へのイメージとして描かれている場合もある」というところでしょうか。
例えば、ジン。
89巻FILE.11「握られたハサミ」では、灰原が「組織の仕業ならこんな事有り得ない…」と言っているときに、ジンとウォッカが描かれていますが、49巻のブラックインパクトでジンが頬に傷を負った際、灰原は現場にいません。また、現場にいるコナンもジンの顔が見えていたわけではないと考えられるため、赤井さんから「ジンの頬を抉った」という情報を得ていなければ、ジンの描写は読者へのイメージという事になります。
そんなわけで、以前、羽田浩司の遺体の回想考察を行ったものの、新しい情報と上記の結論を踏まえて再度考え直したいと思います。
前回の記事の位置付けと今回の記事の位置付けです。そもそも回想とイメージの分岐を考えた方が良いよね?というのが今回の記事です。
牧場回の情報
99巻、牧場回で安室さんが羽田浩司の遺体を回想している描写がありました。
安室「(17年前アメリカで謎の死を遂げた…)」
ここで羽田浩司の遺体描写あり
「(天才棋士羽田浩司!)」
「(あの事件の後、彼の所持品で唯一紛失したのが…)」「(彼が御守りとして肌身離さず持っていた角の駒…)」
「(公安の研修で未解決の難事件として見せられた資料には…その角は、彼が初めて将棋の師匠に勝った対局で最後に指した駒で…)」
「(彼の遺族が言うには『息子がその駒を手離すわけがない!それを持っているのは息子を殺した犯人しかありえない』と…)」
どうやら角の駒についても知っており、その情報源は公安の研修で見せられた未解決の難事件の資料でした。
現時点で、羽田浩司の遺体を思い浮かべた人物は下記の通りとなります。
- 93巻 黒田兵衛
- 97巻 若狭留美
- 98巻 メアリー世良
- 98巻 江戸川コナン(前回記載漏れ)
- 98巻 宮本由美
- 99巻 安室透(新規追加)
体験による回想か?読者へのイメージか?
前述のとおり、「ある登場人物の頭に浮かんだ描写は、すべてその人の体験からくるものではなく、読者へのイメージとして描かれている場合もある」ことを考慮して、上記の人物の回想なのか、読者へのイメージなのか考えていきたいと思います。
まずは明らかに回想/イメージとわかるものを埋めていきたいと思います。
巻数 | タイトル | 名前 | 回想・イメージ |
---|---|---|---|
93 | 燃えるテントの怪 | 黒田兵衛 | - |
97 | 山菜狩りとクローバー | 若狭留美 | 回想。羽田浩司と会話しており現場に居合わせたと考えられる。 |
98 | 古美術鑑定家殺害事件 | メアリー | - |
98 | 高校生探偵の推理レース | 江戸川コナン | イメージ。遺体を直接的にも間接的にも見たと考えられる描写がない。 |
98 | 将棋棋士連続殺害事件 | 宮本由美 | - |
99 | 牧場の悲劇 | 安室透 | 回想。公安の資料に残っていたと考えられる。 |
羽田浩司の遺体を思い浮かべた人物の中で、若狭留美、江戸川コナン、安室透の3人が明らかに回想/イメージとわかるものとして記載しました。
若狭留美は明らかに当日も対面したと考えられる、セリフ付きの描写を思い浮かべており、羽田浩司の遺体を目の当たりにしたと考えられます。
次に、安室さんですが、安室さんの発言を考慮すると、公安の研修で見せられた未解決の難事件が資料として残っていることから、遺体の写真も資料として残っているのではないかと考えられます。アメリカで起きた事件であるため、FBIやCIAが動きそうなことは察しがつきますが、日本の棋士が殺害されたとあって公安警察も動いているようです。ネットで公開された記事と同じ手のひらと、はさみの写真が使われていたことから、公安警察が相当早く現場にたどり着いて現場の写真を手に入れたか、どこかの警察機関・諜報機関と連携して共有してもらったとも考えられます。例えば、MI6。緋色シリーズで、安室さんが博士の発明品を「MI6も顔負けの発明品」と言ったのは、実は日本の公安とMI6に繋がりがあったことを示していたとか考えられそうですが、それはまたの機会に考えたいと思います。研修の資料として現場の写真が入手できている時点で、遺体の写真も持っているはずですから、安室さんが研修で羽田浩司の遺体も見たと考えています。
最後に、江戸川コナンですが、
- 17年前の事件を知って以降、FBIの捜査官、特に赤井さんと羽田浩司事件について詳しく話したと考えられる描写がない
- 17年前の事件を知って以降、CIAの本堂瑛海については会話していない
- 工藤新一は17年前に生まれたため、現場にいない
ことなどから、公安の未解決事件の資料が流出していない限り、コナンが羽田浩司の遺体を見ることはできないと考えられます。
死因の認識
残りの黒田兵衛、メアリー、宮本由美についてです。
まずは宮本由美の発言と、
コナン「それより太閤名人の親には会ったの?」
由美「いや、まだだけど…」「プロ棋士を目指してた頃すごいお金持ちの家に養子に入った事は聞いたわよ…」「その家の息子さんが将棋の天才だったんだけど事故で亡くなってしまって…養子になってその息子さんの夢を叶えてくれないかと頼まれたって…」
98巻 将棋棋士連続殺害事件
安室透の心の発言より、
安室「(彼の遺族が言うには『息子がその駒を手離すわけがない!それを持っているのは息子を殺した犯人しかありえない』と…)」
99巻 牧場の悲劇
由美さんが秀𠮷から聞いたのは「事故で亡くなったこと」ですが、安室さんは「羽田浩司は殺害された」と聞いており、どうも、由美さんが聞いた内容と、安室さんが遺族・資料経由で確認した内容の認識がずれているように感じます。これは、秀𠮷が詳しく羽田家から聞いてはいるものの、由美さんに話す際に内容を詳細に伝えていないか、秀𠮷自身が羽田家から詳しく話を聞いていない可能性があると考えられます。となると、羽田浩司の遺体の写真などは当然見せてはいない(あるいは持っていない)ことがわかります。また、交通部でも公安と同じような研修を受けるかというとそれは可能性は低いため、未解決事件の資料も見ていないと考えられます。つまり、宮本由美が話している際に浮かべた羽田浩司の遺体は、回想ではなく読者へのイメージといえるでしょう。現時点で、こんなところでしょうか。残り二人ですね。
巻数 | タイトル | 名前 | 回想・イメージ |
---|---|---|---|
93 | 燃えるテントの怪 | 黒田兵衛 | - |
97 | 山菜狩りとクローバー | 若狭留美 | 回想。羽田浩司と会話しており現場に居合わせたと考えられる。 |
98 | 古美術鑑定家殺害事件 | メアリー | - |
98 | 高校生探偵の推理レース | 江戸川コナン | イメージ。遺体を直接的にも間接的にも見たと考えられる描写がない。 |
98 | 将棋棋士連続殺害事件 | 宮本由美 | イメージ。羽田浩司の死に関して安室さんとの認識のずれがあり、秀𠮷から写真を見せられたわけではなさそう。 |
99 | 牧場の悲劇 | 安室透 | 回想。公安の資料に残っていたと考えられる。 |
黒田は回想かイメージか?
次に、黒田兵衛について考えていきたいと思います。
黒田兵衛は93巻・燃えるテントの怪で白鳥に声をかけられる前に、「天才棋士 謎の死」というページを見ており、羽田浩司の遺体を思い浮かべています。そして、j事件の関係者として思い浮かべたのか、ゲスゴルファー撃退時の若狭留美を思い浮かべています。
私は下記の理由から黒田が思い浮かべていた羽田浩司の遺体はイメージではなく回想だと考えています。
- 無言(説明なし)で羽田浩司の遺体が描写されたこと
黒田は93巻で無言で羽田浩司の遺体を思い浮かべています。何かのセリフがあって思い浮かべているならまだイメージの可能性も回想の可能性も残されているとは思いますが、無言で思い浮かべているという事は、完全にその人物の中で思い出している描写なのではないかと考えています。
- 若狭留美と羽田浩司の遺体を関連付けていること
また、黒田は、若狭留美と羽田浩司の遺体を関連付けているようでした。羽田浩司事件と若狭留美を関連付けるだけでよければ、羽田浩司の遺体がなくてもネット記事だけあればよいように思います。ここで敢えて、ネット記事に加えて遺体を描写したという事から、イメージでなく黒田さんの回想であると言えそうです。
- 降谷の公安の上司
「県警の黒い闇」で黒田さんが初登場しましたが、黒田さんは初登場時、コナンの事を眠りの小五郎の知恵袋と呼んでおり、警察庁でそう噂されていたことを明らかにしています。名探偵コナンの中で、警察庁に勤めていると明らかになっているキャラクターが現時点で、降谷零しかいないことと、96巻で、警視庁に所属している黒田が事件のことで安室さん(降谷)に指示を出していることから、黒田さんは降谷零の上司であることがわかります。
このことから、99巻で安室さんが公安の資料から思い浮かべていたのと同様に、黒田さんも資料で羽田浩司の遺体を見ている可能性が高いです。
ただし、黒田さんが17年前の事件に直接絡んでいる場合もあるため、回想であることは濃厚ですが、資料で見ただけでなく直接見た可能性もあります。
血溜まりの違いはデザインが固まっていなかった?
ここで気になるのは、黒田さんが回想する羽田浩司の遺体が、他の人の回想・イメージと若干違うという事です。黒田さんは口元付近に血溜まりのない遺体を回想しているのに対し、他の人物は血溜まりがあります。公安の資料が血溜まりがあるのなら、黒田さんの回想は現場で見たものでは?という解釈も可能なのですが、もう一つ、93巻時点でデザインが固まっていなかったのではないか?と現時点では考えられると思っています。
これまで羽田浩司の遺体は、93巻、97巻、98巻、99巻で描写されていますが、その中でも、黒田さんは93巻で思い浮かべていて、一番早く思い浮かべた人物になっています。そして、93巻以降、少し空いてから97巻で再び羽田浩司の遺体が登場していることを考えると、93巻時点では血溜まりのない設定だったが、97巻で再び描く際に血溜まりのある設定になったのではないでしょうか?
巻数 | タイトル | 名前 | 回想・イメージ |
---|---|---|---|
93 | 燃えるテントの怪 | 黒田兵衛 | 回想。公安資料で確認は濃厚そうだが、加えて現場で見た可能性あり。また、血溜まりの有無は当初デザインが固まっていなかった? |
97 | 山菜狩りとクローバー | 若狭留美 | 回想。羽田浩司と会話しており現場に居合わせたと考えられる。 |
98 | 古美術鑑定家殺害事件 | メアリー | - |
98 | 高校生探偵の推理レース | 江戸川コナン | イメージ。遺体を直接的にも間接的にも見たと考えられる描写がない。 |
98 | 将棋棋士連続殺害事件 | 宮本由美 | イメージ。羽田浩司の死に関して安室さんとの認識のずれがあり、秀𠮷から写真を見せられたわけではなさそう。 |
99 | 牧場の悲劇 | 安室透 | 回想。公安の資料に残っていたと考えられる。 |
黒田さんの回想のデザインが固まっていなかったのだとしたら過去に書いた
私は黒田兵衛の回想した羽田浩司は赤井務武では?と考えています。
こちらの発言は大間違いということになりますね(笑)
メアリーは?
メアリーについては98巻・堆黒盆回の赤井秀一の17年前の回想にて、秀𠮷に何が起こったか説明している際に羽田浩司の遺体が描かれています。
私は今回の記事では、回想かイメージかはまだ断定できないと考えています。
メアリーの夫である務武が17年前にアメリカに向かったことや羽田家と友人関係を築いていることから、現場の状況に関する資料など手に入れてそうなことや、98巻の17年前の飛行機内の秀𠮷への説明では
メアリー「その浩司さんがアメリカで謎の死を遂げて…」
98巻 古美術鑑定家殺害事件
と言っているのに対し、99巻のロンドンの回想では
メアリー「それで?羽田浩司を殺した犯人はわかったの?」
98・99巻 毒と薬の真相
と言っており、さらに99巻の安室さんの回想から
安室「(彼の遺族が言うには『息子がその駒を手離すわけがない!それを持っているのは息子を殺した犯人しかありえない』と…)」
99巻 牧場の悲劇
メアリーは羽田浩司は殺害されたと考えつつも、秀𠮷には謎の死と濁したのではないかと考えられます。つまり、ある程度捜査の事や羽田家の人(「彼」と言っていることから羽田浩司の父)から情報を得ていると考えられるため、回想(写真で見た)の可能性も充分あります。
しかし、充分にそうだと断言できるほどにメアリーの羽田浩司事件周辺の描写がないため、イメージともいえるという宙ぶらりんな状態だと思っています。
今回の記事の結論
また何かわかれば記載したいと思いますが、現時点での状況は以下となります。
巻数 | タイトル | 名前 | 回想・イメージ |
---|---|---|---|
93 | 燃えるテントの怪 | 黒田兵衛 | 回想。公安資料で確認は濃厚そうだが、加えて現場で見た可能性あり。また、血溜まりの有無は当初デザインが固まっていなかった? |
97 | 山菜狩りとクローバー | 若狭留美 | 回想。羽田浩司と会話しており現場に居合わせたと考えられる。 |
98 | 古美術鑑定家殺害事件 | メアリー | 回想・イメージの両方あり得る。 |
98 | 高校生探偵の推理レース | 江戸川コナン | イメージ。遺体を直接的にも間接的にも見たと考えられる描写がない。 |
98 | 将棋棋士連続殺害事件 | 宮本由美 | イメージ。羽田浩司の死に関して安室さんとの認識のずれがあり、秀𠮷から写真を見せられたわけではなさそう。 |
99 | 牧場の悲劇 | 安室透 | 回想。公安の資料に残っていたと考えられる。 |
今後はこれをベースに考えていきたいと思います。
その他・気になること
この先私はいないものと思え…-赤井家の大黒柱・赤井務武に関して思うこと-
で記載したネット記事と回想の羽田浩司の袖の部分の違いはまだ答えを出せていません。うーん。
また何か思いついたら記載しようと思います。
また、メモを読んでいただければと思います。